当サイトでは信州野菜の紹介をしておりますが、今回のお題は「伝統野菜」です。
伝統野菜という言葉はみなさんご存じだと思いますが、実際に伝統野菜っていう野菜は、
どんな種類があるのか?などを詳しく説明していきます。
当サイトで紹介している伝統野菜ですが、
皆さんは「伝統野菜」という言葉をご存知でしょうか?
なんとなく~!?という方が多いかと思います。
そもそも伝統野菜の言葉の定義って一体なんなのでしょうか?
今回は、この「伝統野菜」の言葉について紹介いたします!
そもそも伝統野菜ってどんな野菜のことを言うの?
伝統野菜とは、日本各地で古くから栽培・食用・生活利用されてきた野菜の在来品種のことをいいます。
別名で「地方野菜」とも呼ばれることもあります。
伝統野菜は古くは江戸時代よりも前から作られてきました。
そして、今日まで私たち日本人の命を育み、 人や文化や風土、食文化を育て、命をつないできた野菜たちなのです。
伝統野菜ですが、普段私たちが手にできるような棚に並んでいる野菜と比べると、大量生産ができず、生産効率は格段に悪くなります。
そして、見栄え(揃い)が悪いので流通にはあまり適していない野菜たちなのです。
また、旬の時期しか生産できない季節限定野菜ということもあり全国津々浦々に浸透することは流通が発達した現在でも困難となっております。
伝統野菜は、作ることも難しく、見栄えが悪いということもあり、敬遠されがちではありますが、現在は、季節限定野菜で、「季節が感じられる野菜」と捉えられ、食べる方々が増えています。
伝統野菜には今の野菜にはない強い香りを感じることができ、苦みや甘み、えぐみ、そして旨味といった多様な味わいを感じることができます。
私たち日本人の繊細な味覚を育ててきたといっても過言ではありません。
この季節・この土地だから食べることが出来る野菜を食べると野菜自身いパワーを凄く感じます。
いつでもどこでも安定して食べられることも大切ですが、その時、その場所でしか味わえないからこそ大切なこともあるのですね。
野菜からのパワーをしっかり感じられる生活って素晴らしいと思います。
各地域の伝統野菜の種類を紹介しています。
伝統野菜と言われる代表的な野菜は下記の5種類に分類できます。
大根(だいこん)
蕪(かぶ)
葱(ねぎ)
豆(まめ)
芋(里芋)
他には、唐辛子やナス、きゅうりなど実は多種多様に存在しているのです。
そして、地域も北は北海道から南は沖縄まであるんですよ。
ここでは、私が好きな(独断と偏見ですみません(;^_^A)伝統野菜を育んでいる地域をご紹介させていただきます。
地域によっての特色がありますのでご覧ください。
伝統野菜長野編 信州の伝統野菜
信州の伝統野菜(しんしゅうのでんとうやさい)とは、長野県が定めた「信州伝統野菜認定制度」によって認定された野菜になります。
1991年から開始され、現在は71品目の野菜が認定されています。
認定数では全国トップクラスの数を誇っています。
信州の伝統野菜の定義
昭和30年代以前から栽培されていること
信州の食文化を支える行事食・郷土食が伝承されていること。
品種特性が明確になっていること。
代表的な信州の伝統野菜
野沢菜、松本一本ねぎ、ぼたんこしょう、小布施丸なす、戸隠大根、ねずみ大根など…
南北に長く、東西にも広い長野県は同じ長野県でも育む野菜が全く異なります。
ですが、なぜかトウガラシの栽培は全県で行われているのです。
信州はトウガラシ文化が発達してるってことなのでしょうか!?
長野県の不思議ですね。
今後は各伝統野菜を細かく説明していきますね(^▽^)
伝統野菜京都編 京野菜
京野菜(きょうやさいと読みます)は、京都府で生産されて、京都の雰囲気がある京都特産の野菜で、一般的に京の伝統野菜やブランド京野菜をいいます。
京野菜の歴史は、1987年に京都府により、「京の伝統野菜」について定義されました。
現在36種類で、絶滅種が2種類となっています。
京の伝統野菜の定義
京都府内全域での生産ができること
明治時代以前から栽培されていた伝統があること
キノコやシダ(ゼンマイやワラビなど)は対象外
絶滅した種類も含め、栽培や種が保存されているもの
代表的な京野菜
京みず菜、九条ねぎ、京こかぶ、伏見とうがらし、賀茂なす、えびいも、聖護院だいこん など
伝統野菜という言葉に聞き覚えがなくても、京野菜という言葉は聞き覚えがあるのではないでしょうか?
九条ネギは中々庶民の私のようなものが気軽に手が出せないお野菜…京都ブランドも相まって京野菜は昨今大人気なんですよ。
伝統野菜大阪編 なにわ野菜
なにわ野菜(なにわやさい)とは、主に大阪府で古くから伝統的に生産されてきた野菜の在来種のことをいいます。
おおむね100年以上前から大阪府内で栽培されていること、品種の歴史が明らかで、それが大阪府内に由来することなどを基準とした「なにわの伝統野菜」を決定し、18品目を伝統野菜としました。
なにわの伝統野菜の定義
概ね100年前から大阪府内で栽培されてきたこと
苗や種子の来歴が明らかで、大阪独自の品目・品種であり、苗や種子の確保が可能なこと
府内で生産されていること
代表的ななにわ野菜
守口大根、天王寺蕪、金時人参
金時人参は和人参の代表格!
※通常市場に出回っている人参は西洋人参です。
オレンジ色ではなく赤色が強い華やかな人参です。リコピンが豊富で人参特有の匂いが少ないので、人参嫌いのお子さんでも美味しく食べれると思いますよ~♪ 。
伝統野菜石川編 加賀野菜
日本海に面している石川県。
その石川県にも伝統野菜が存在しています。その名も加賀野菜(かがやさい)。
他の伝統野菜に比べると比較的流通に乗せることができるので、石川県の郷土料理屋さんなどではよく利用されているのを見ることができます。
加賀野菜の定義
1945年以前から栽培され、現在も主として金沢で栽培されていること
需要に応じて供給できる体制が整っていること
代表的な加賀野菜
打木赤皮甘栗かぼちゃ(うつぎあかがわあまぐりかぼちゃ)、加賀太きゅうり、金時草、ヘタ紫なす、加賀れんこん
打木赤皮甘栗かぼちゃの見た目の可愛さは『映え』間違いなしです 。ころっとしていてカボチャとは思えないほど鮮やかなオレンジ色がまぶしいカボチャなんですよ。
しっとりとして甘いのでポタージュスープがおススメです♪
伝統野菜東京編 江戸野菜
意外ですが、東京にも伝統野菜が存在しているのです。
その歴史はこれまた意外と古く、京野菜に次ぐ伝統があります。
江戸野菜(えど やさい)とは、主に東京23区や多摩地域や伊豆諸島で伝統的に生産されていた野菜(在来品種)のことを言います。
明治以降より後に生み出されたりした種類もあり、現在の「江戸東京野菜」は48種あります。
江戸野菜は、「東京伝統野菜」とも呼ばれることもあります。
江戸野菜の定義
江戸時代から東京の野菜文化を継承していること
苗や種子の大半が自給、または近隣から確保され、昭和40年ごろまでの在来種または在来の栽培方法に由来し栽培された野菜のこと
代表的な江戸野菜
練馬大根、小松菜、馬込半白胡瓜、品川カブ
な、なんと、小松菜は「伝統野菜」だったんです!
それを知ったときはびっくりしました。だって小松菜は東京以外でも全国で手に入る野菜だったので…
小松菜の様に日本全国どこに行っても伝統野菜が手軽に手に入るようになるといいなと強く思う私です。
ちなみに、小松菜は江戸川区の「小松川」が産地だったからなんですよ。一時期住んでいた場所です♪
伝統野菜の課題について考えてみました
今から50年ほど前までは、全国各地に個性的な野菜がありました。
先にも上げましたが、伝統野菜は大量生産ができず、季節も限定される野菜です。
大量生産の現代に入り、種も品種も均一化し、生産や流通そして、コスト問題などから昔ながらの品種は、姿を消しそうになってしまいました。
ですが、「伝統野菜」の存在と魅力を見直そうという流れが起きています。
近年は、農産地の地域おこしなどで取り入れ、地域ブランド化・地産地消野菜としての動きがみられるようになりました。
時代が変わっても存在するのは、美味しくて、愛され続けている証であり、そして若手の作り手が登場して、郷土料理はもちろん、新しい食べ方の提案も始まっています。
それでも、まだ絶滅していってしまう品種や絶滅危惧種が多くあります。
特に過疎に行けば行くほどその現状は色濃く映ります。
この素晴らしい伝統野菜を日本に留まらず海外にも周知していただき、後世にも残していかなければいけないのです。
形が悪くても、その時期しか食べられなくても…逆にそのような野菜の方がパワーがあって栄養も豊富だったりします。
個性が様々な方が面白いと思いませんか?
先人が大切に育ててきた野菜たちをこれからも未来につなげるために守り育て続けていきましょう!
伝統野菜って何?どんな野菜があるの?詳しく説明します! まとめ
伝統野菜には歴史と物語があります。
古くから種を通して命が今に伝わり、その地域で脈々と作られている、その地域のおもてなし食材です。
日本人はもちろん海外の方にもその地域に行って食べてもらいたい!!
その大切な食材を今を生きる私たちが守り伝えていかなければならないと思っております。
ぜひ、皆さんも「伝統野菜」を召し上がってください^^
「伝統」と聞くと堅苦しいイメージがあるかもしれませんが、野菜に関しては、古き良き日本の象徴!手軽に気軽に楽しんでほしいです!昔ながらの調理法で鳴くて大丈夫!
今時料理にもピッタリな野菜たちばかりですよ。