今回は中野市が産地の「ぼたんこしょう」を紹介します!
見た目はピーマン、中身はトウガラシ!
言葉だと中野市の伝統野菜のぼたんこうしょうの良さが伝わらないですね(;^_^A
今回は中野市が産んだスーパー伝統野菜・ぼたんこうしょうを紹介します!
長野県民だと知らず知らずのうちにぼたんこしょうを食べたことがある方はかなり多いのではないかな?と思います。
信州の伝統野菜 中野市のぼたんこしょうの基本情報
中野市の伝統野菜であるぼたんこしょうは、ナス科トウガラシ属です。
見た目はもちろん、根や茎や葉そして花や実まで形態はピーマンとほとんど変わりがありません。
育て方や特性もほとんどピーマンと同じです。
※因みにピーマンもナス科トウガラシ属なんですよ。
ぼたんこしょうは長野県の中野市で栽培されています。
よく混乱するのですが、新潟県中越地方にも同じようなナス科トウガラシ属の野菜が栽培されています。
その名も「かぐらなんばん」
中野市のぼたんこしょうと見た目も栽培方法も酷似していますが、中野市のぼたんこうしょうとの違いは、実は一回り大きく、辛さは少し弱めとなっています。
実の形状が神楽の獅子に似ていて、辛い実ということで「かぐらなんばん」と呼ばれています。
[ふきだし set=”カノナ”] 私は「ぼたんこしょう」と「かぐらなんばん」の苗を隣同士に植えてしまうという、とてもおバカなことをしてしまい、どっちがどっちだかわからなってしまいました。
当たり前ですが、同じ科・属の種類の植物は離して植えましょう…
こんなことをするのは私ぐらいでしょうが…(反省) [/ふきだし]
ぼたんこしょう 中野市の信州の伝統野菜 歴史
信州中野市のぼたんこしょうですが、70年以上の栽培歴があります。
しかし、来歴は現在不明となっています。
伝承では、昭和初期から北信州・中野市辺りを中心に栽培が確認されています。
隣接する信濃町・飯綱町などで人々の交流、特に婚姻で嫁入り道具の中に種子があり、種子をやりとりする中で中野市でぼたんこしょうの栽培が広まっていったという話もあります。
そして、中野市での自家採種により、独自の進化を遂げたトウガラシ「ぼたんこうしょう」となったと言われています。
ぼたんこしょうは、標高の低いところでは安定した生産が出来ず、なかなか生産の増加につながることができませんでした。この農業技術が発達した現在でも栽培は困難なようです。
[ふきだし set=”カノナ”] 嫁入り道具に「種子」があるのですね!その土地の食べ物を育む気持ちが昔からしっかり根付いていて感動しました。
特に昔は今ほど食料が豊富になかったのも要因かもしれないですね…
昔の花嫁さんが自分が育てた「ぼたんこしょう」を見て故郷を想ったなんて、ちょっと切なくて素敵な一場面って思っちゃいました。
野菜からも親の愛が伝わりますね^^ [/ふきだし]
中野市の伝統野菜のぼたんこしょうの特性・特徴
中野市のぼたんこしょうは見た目も果肉もピーマンそのままの形となっています。
唯一の違いは、先端周辺に深い溝があること。
その形状が上から見ると、花の牡丹のようにも見えることから「ぼたん」、そして、ピリ辛の風味から「こしょう」合わせて「ぼたんこしょう」と名づけられました。
通常、ピーマンやトウガラシは温暖な気候での栽培が適していますが、「ぼたんこしょう」は涼しい気候を好み、標高の高い場所が適しています。逆を言うと、温かく標高の低い場所では上手く栽培できませんので栽培する際には気を付けてください。
多くのトウガラシと同じように、芯の部分・種のついている部分に辛みを強く感じます。
ですが、実の部分は瑞々しく甘みも強く感じることができるのがぼたんこしょうの魅力でもあります。
その絶妙なバランスが癖になる美味しさの秘密です。
ぼたんこしょうは一般的には青い状態(緑色)で市場に出ておりますが、赤く熟すと、辛味、甘みともに増します。
また、いびつな形ほど辛くなっていますので、辛みを楽しみたい場合は形がいびつなものを選ぶことをお勧めします。
[ふきだし set=”カノナ”] 青い状態のぼたんこしょうが手に入った場合は、直射日光が当たらず風通しのいいところに置いておくと、しばらくすると赤く熟しますので、青い状態のモノを買っても赤くすることが可能ですので、ぼたんこしょうを見つけたら即getです!!
ぼたんこしょうは、信州中野市や飯山市でgetできますよ。 [/ふきだし]
中野市のぼたんこしょうの育て方
中野市のぼたんこしょうの栽培はピーマンや唐辛子と同じです。
ですが、先にも記載した通り、冷涼な気候を好み、標高の高い(大体800m以上)地域でないと辛くならず、また大きくもなりませんので、ご注意ください。
4月上旬に種をまき、苗を育て、6月中旬ごろに畑へ定植します。
7月下旬から霜が降り始める11月下旬ごろまで収穫が続きます。
[ふきだし set=”カノナ”] 種から育てるのは手間がかかりますので、苗を購入して育てることがお勧めです。中野市に行けば苗の購入ができるかと思いますのでご利用ください。
育て方はピーマンと全く変わりませんので家庭菜園程度の大きさでも十分に育てられます。
くれぐれも私の様にトウガラシやピーマンの隣に植えるようなことだけはしないようにしてくださいね!! [/ふきだし]
信州の伝統野菜 中野市のぼたんこしょうの栄養
中野市のぼたんこしょうは、ピーマンよりも高い抗酸化活性を持っています。
辛み成分のカプサイシンが含まれています。
また、ビタミA、ビタミンCも含まれていて他に豊富なミネラル、フェノールやギャバが含まれています。
[ふきだし set=”カノナ”] ぼたんこうしょうを食べているから中野市の方は高齢でも元気で長生き!!…なのかな!? [/ふきだし]
中野市の伝統野菜「ぼたんこしょう」のおススメレシピ
中野市のぼたんこしょうは辛みがありますが、甘みも兼ね備えているため、炒め物、丸焼き、味噌漬けや煮物にしても美味しいです。
辛味が弱いと感じたときは、種やその周りの芯の部分を加えると辛みが増します。
ここでは、私のおススメぼたんこうしょうレシピをご紹介します。
ぼたんこうしょうの一押しレシピ「やたら」
ぼたんこしょうの一番のおススメ料理は郷土料理「やたら」です。
※この「やたら」は野沢菜の記事でも紹介させていただきました。
野沢菜の記事はこちら
野沢温泉村の伝統野菜「野沢菜」を紹介します!
やたらは、好みの野菜と漬物を細かく刻んで混ぜて食べる郷土料理です。
ぼたんこしょうを入れることにより味にアクセントが生まれ、「やたら」とごはんが進みますよ。
[ふきだし set=”カノナ”] 夏の暑いときに、ピリ辛ぼたんこうしょう入りの「やたら」は相性抜群です!めっちゃゴハンが進むので夏バテ防止になりますよ!お茶漬けとして食べるとサラサラ~とおなかに入っていくのでますますゴハンが進みます(笑) [/ふきだし]
ナスみそ炒め
通常はナスとピーマン、豚肉を入れますが、ピーマンの代わりにぼたんこしょうを使用してみましょう。
ピリ辛・爽やかな風味となり、甘辛みそとの相性は最高です。
[ふきだし set=”カノナ”] 種と芯をしっかりと除けば辛みがかなり抑えられるのでお子様でも十分に食べられますよ。ピーマンより瑞々しく、青臭さが少ないので食べやすい仕上がりになります♪ [/ふきだし]
辛みそ
保存食の「辛みそ」
ぼたんこしょうをみじん切りにして、お鍋にお味噌、砂糖を入れて弱火で練っていきます。砂糖から水分が出てきたらぼたんこしょうを投入。1時間ほど煮詰めます。
冷ましてから保管用の瓶などに入れましょう。保存食としおススメです^^
[ふきだし set=”カノナ”] この辛みそで作る焼きおにぎりは絶品です♪ちょっと焦がしたほうが風味が増すので美味しさ倍増です。「やたら」とも和えてお茶漬けにしてぜひ食べてほしいです![/ふきだし]
信州の伝統野菜 中野市のぼたんこしょうの課題
最近の温暖化による暑さの影響で寒冷地でもある中野市でも良質なぼたんこしょうの栽培が難しくなってきております。
暑さで辛味が少ないことや、また辛いものと辛くないものと個体差が出てしまい、安定した辛さになっていないぼたんこうしょうが出来上がってしまっています。
生産者の方は、購入者の方から「思った程ちっとも辛くなかった」「食べて辛くないからがっかりした」言われると頭を抱えていらっしゃいました。
今の中野市の本来のぼたんこしょうは違うと、お話を聞いた生産者の方は肩を落とされていました。
この暑さで本来のぼたんこしょうとかけ離れた出来栄えのモノが出来てしまうこと、天候の影響を大きく受ける作物の生産の難しさを痛感しました。
収穫量が上がらない上に、害虫や形がいびつなモノが多くできてしまい、規格外・B級品となってしまう商品が多く商品化率が低くなってしまっています。
せっかく実になったとしても自家用で消費されるか廃棄処分となってしまっています。
そして、さらに市場認知度が低く、なかなか市場に出回らないため農家の方々の生産意欲が無くなってしまっていること、生産者の高齢化が進み栽培面積が減ってしまっていることが問題となっております。
[ふきだし set=”カノナ”] 高齢化や生産者減少という今の日本の問題だけではなく、温暖化の問題までもが降りかかっているぼたんこうしょう。どうにか存続しようと保存会も立ち上がっているのですが、気候まではどうしようもできない現状です。どうにか守る術を考えていかないといけないです。 [/ふきだし]
ぼたんこうしょう 中野市の信州の伝統野菜を紹介します!まとめ
中野市のぼたんこしょうも長野県そして日本の農業が抱えている問題、高齢化という最大にして最難関の問題を抱えております。
加えて、栽培の難しさ、栽培の可能場所が限定されているということで生産が減ってしまっていることも残念ながら納得してしまいます。
ですが、中野市のぼたんこしょうは、このままでは大切な中野市の伝統野菜であるぼたんこしょうが消滅してしまう!という危機感から、いい種を保存していかないといけない!昔からのものを守っていかなくてはいけない!という声が高まり、現在は中野市ぼたんこしょう保存会が結成されたそうです。
元来からの形状、安定したからさとなるように、良い種を守り、採種し栽培されているそうです。
中野市の伝統野菜であるぼたんこしょうのように皆で守っていこうという取り組みが大切な伝統野菜を守り抜くことにつながるのです。
少しずつでも進んでいくことを切に願っています。その一歩に尽力していきたいと襟を正しました。
育てる気候のマッチングが難しいということはありますが、基本的にはピーマンと同じような栽培で育てることが可能です。
私でも育てることが出来ましたので苗を見つけましたら是非育ててみてください!
しつこいですが、くれぐれも個別育成でお願いいたします!